Go To Montain

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第2回開催報告 (低学年チーム)




第2回 こてつ(子どものための哲学対話)
低学年グループ 対話内容のまとめ

日時:2017625日(日)9:50頃~(45分)
テーマ:「ともだち」
ファシリテーター:池田、片山、川上
記録者:池田

2回こてつのテーマは「ともだち」でした。身近なテーマなので入りやすいと思っていましたが、つかみどころがないテーマでした。大人も悩んでしまうテーマに低学年チームは挑みました。
結果・・・迷子になりました。迷子になるのも哲学カフェの醍醐味です。
みんなで迷子になった記録をご一読ください。


■入り口はどこだ?
まずは「ともだちいる人?」の問いから。やはり全員の手が上がりました。
「たくさんいるよ~」との声も上がります。
念のために「いない人?」と聞いてみましたが、手を挙げたのはゼロでした。
少しずつ、少しずつ対話を進めていきます。

次の問いは「どんな友だちがいる?何をして遊んでいるの?」です。

この問いにも「本を読んで遊んでいる。」「ドッチボール。」「ジャングルジム鬼ごっこ。」
「大縄。」「縄跳び。」「サッカー。」「鬼ごっこ。」活発に答えてくれます。
不思議とゲームとの答えはありませんでした。

ここで「どんなところが楽しい?」との問いには一同沈黙。そして「難しい~」との回答でした。なかなか入り口が見つかりません。入れたと思ったら入り口に戻る感じです。

少し角度を変えて「いつも友だちと一緒にいても楽しい?」と問いかけました。
「たまに飽きる。」「たまに遊びたくなくなる。」「飽きたりする。」「ルールを守ってない人とは遊びたくない。」

問いを重ねます「友だちと一緒いて、嫌になった時、それを友だちに伝える?」
「勝手に抜ける」「そっと抜ける」「誰か1人に抜けていいか聞いて抜ける」
やっと少しずつですが対話が進んでいきました。


■話せないのには訳があるんだよ~
ここで問いを入れました。「ともだちとケンカしたことある?」
この問いには「ケンカしたことを話すのは恥ずかしい」と回答。
不思議ですね、友だちとケンカすることは恥ずかしいと認識しているようです。
角度を変えて問いを入れててみました。「友だちと友だちとがケンカしているところ観たことある??」
この問いには答えてくれました。
「間違って物を壊されて、怒ってケンカになった。」、「観たら先生に言う。」、「学童でよくみる。」  、「見せてくれないから。」
もちろん「言えない!」との回答もありました。
発話が一巡したようので問いを入れます。

「何でケンカするの?仲が良すぎてもケンカしちゃうの?」
この問いに対して印象的な発言が出てきました。

「仲がいいなら、ちょっとぐらいちょっかいを出してもいいかなって思って、手をだしちゃう。そしてケンカになっちゃう。それはみんな(ここにいる)もそうだと思う。でもそれが恥ずかしいから手を挙げないんだと思う。」

恥ずかしいとは、間違ったことだと分かっているけれどやっちゃったこと、興味深い分析です。


■宇宙人と「ともだち」になれるかな?
少しずつですが、対話に慣れてきたようです。ここで問いの方向を変えてみました。
「友だちって人間だけなのかな?」
「モルモット」、「いると思う」、少し興奮気味で「他の星の人たち!」

すかさず、「宇宙人とお友だちになれるの?」と問いを入れてみました。
元気に答えてくれます。
「なれるよ、UFOに乗りたい。」
「地球以外人は結構笑う人が多いから。」
「褒めてくれるから。」
「宇宙人の世界を観てみたいから。」
「家をみてみたいから。」
「人間の友だちはもういるから、宇宙人の友だちは1人ぐらい欲しい。」
対話が盛り上がってきます。

次に「宇宙人ともケンカしちゃう?」と聞いてみました。
「体の色、違う服だから、もしかしたらするかな、しないかな」悩んでくれています。
「言葉が通じないと、怒っていても何を言っているか分からない。」
TVでみる宇宙人より本物だと緊張すると思う。」

「言葉」というキーワードが出てきました。「言葉が通じなくても友だちになれる?」と問いを入れてみました。
これに対しては、「なれるよ~」、「日本語話せない友だちいるよ。」、
「日本語を話せない子と友だちになりたかったから、外国語を話せる子に伝えてもらった。今は外国語の勉強しているよ。」との回答が続きました。

言葉の壁は認識していますが、工夫することで超えられるようです。
対話を進めてみました。
「どうなったら友だちになるのかな?例えばボクとこの子は今日こてつで一緒になったけど友だちかな?」。
この問いに対しては、
「2人はどう思うの?」
「楽しかったよねって言ったら友だち」と教えてくれました。


■ドラえもんとは「ともだち」なのか?

「友だちがいないと楽しくないよね?」と問いを入れたところ、「いなくても平気だよ。」との回答が続きました。理由を聞いてみます。
女の子がおもにこの問いに答えてくれました。
「姉がいるから。」
「本があるから。」
「自分で工夫して遊べるから。」

それに対して、
「でも1人だとつまんない。少しは楽しいけど。なぜかというと・・まだ言えない。」
「弟がいるけど楽しくない。毎日だからあきる。友だちの方があきるのが少ない。」

これらの回答は主に男の子でした。
このあたりの回答は不思議です。普段の遊びの種類が違うからでしょうか。
ここで少しだけ友だち自体に対話を戻してみます。「人形の友だちとかいる??」

「みんなに教えるのが恥ずかしい。」
「ペットと遊ぶのは楽しい。」

対話を重ねます。「人形と人間どっちが楽しい?」

「人間の方がいるから楽しい。」
「人間は動いたりしゃべるから、だから人間のほうがいい。」

理由をしっかり言えるようになってきました。
「人形は生きているみたいだし、かわいいし、元気もらえるからスキ。」

対話が重なり興奮してきたのか、
「夢をかなえるのはドラえもん。」との発言が飛び出します。
さっそく「みんなとドラえもんはともだち?」と聞いてみました。

「会ったことはないけど直ぐに(友だちに)なれそうだよ。
「のび太が楽に道具を使って大変になるけど、ボクはそんなことはしない。」
「困った時、助けてくれるよ。」

ここで冷静な発言が、
「本当にいないから友だちになれないよ。頭の中じゃなくて本当にいないと駄目だよ。」

ここで残り5分となりました。
対話が深まる発言が出たところで時間がなくなるものです。
子ども達からは、「まとめて~」という声が。
これには「まとめない~」と即答しました。
こてつからのみんなへのお土産はモヤモヤですからね。

今日最後の問いは、「どらえもんのキャラクターで誰と友だちになりたい?」でした。



「ドラえもん、ポケットがあるから。」
「ポケットを学校に持って行く。」
「スネ夫。お金持ちだから。」
そして「ジャイアン。強いから。」
こんな意見もありました。
「のびた。算数を教えてあげたい。」
「しずかちゃんは?」と聞いたところで時間となりました。

エンジンがかかるのに時間がかかりましたが、対話後の打ち上げでは「何のキャラクターと友だちとなりたいか?」で盛り上がっている姿もありました。
楽しんでくれたのでしょうか?

さて、今回は「友だちとのトラブルの理由は人には話しづらいこと」を言葉で説明している点に驚かされました。
また対話に慣れていくにつれて理由を考えて発言するようにもなってきました。
でも興奮するのは「宇宙人」と「ドラえもん」でした。
こんなギャップが子ども哲学の面白さだと思います。
(池田)

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