Go To Montain

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第2回開催報告(高学年チーム)

2回 こてつ(子どものための哲学対話)
高学年グループ 対話内容のまとめ

日時:2017625日(日)9:50頃〜(45分)
テーマ:「ともだち」
ファシリテーター:重巣、塚本
記録者:重巣

※内容を一部省略・編集しています。

今回は予め用意した大カテゴリの中から一つを選んでもらい、そのカテゴリの中で問いを決めてもらうというスタイルにしました。
ファシリが用意した大カテゴリは次の4つ。

・友だちの定義(2)
・友だちのトラブル(0)
・友だちの必要性(5)
・ともだちの多様性(2)

多数決で【ともだちの必要性】に決まります。そこから考えられる問いを考えてもらったところ、2つ挙がりました。

・ともだちがいなくても生きていけるか?(5)
・それぞれの人にとってのともだちとは何か?(4)

こちらも多数決を取り、【ともだちがいなくても生きていけるか?】に決定。
この問いから始めてもらいますが、別分野に話が流れたとしても【ともだち】という大枠から逸れない限りは自然に任せようと思います。
第一声は「ともだち不要」派でした。

「友だちというものを知らなかったら別に一人でも大丈夫。知らなければ『なぜ一人が嫌なのか』もわからない。」

論理的に考えていて感心してしまいます。確かに『友だち』などの概念がなければ『一人=寂しい』という図式は成り立ちづらいかもしれません。

他には
「友だちがいた方が楽しい。」
「今はゲームがあるから友だちはいなくてもよい。」
「社会人になったら友だちは必要。」
「いなくても平気だけどいれば色々楽しい。」

必須ではないけどいれば尚良いという意見が全体的に多かったです。また、友だちは学校で作られることが多いようです。

「いつもやり合うなどトラブルを起こす関係は友だちとは言えない。」

流れが友だちの【定義】、【種類】に変わってきます。

「普通のクラスメイトは[友だち]、なりなくない人は[友だち以下]、なりたい人は[親友]。」
ここで問いを投げかけます。

ファシリ:「友だちと親友は違うの?」
「友だちは挨拶程度。遊んだり家に呼ばれたりなどよく一緒にいるのが親友。」
「友だちとはたまに遊ぶ。親友とは毎日遊ぶ。」

このように付き合う密度が濃い場合を親友と呼ぶ子もいれば…

「離れていても分かり合える仲が親友」
「双方が『いいな』と思う場合に親友と呼べる」
と、心の繋がりに重点を置く意見もありました。

ファシリ:「両想いってことだね

「そういうことではない」
「それは違う」 
即否定されます。




ファシリ:「学校以外でも友だちっている?」

「塾が一緒」
「保育園が同じ」
「同じマンション」
会わない期間が長いと友だちではなくなるから学校の子だけ」

一緒に過ごす時間が長い場合、小さい頃からの付き合いの場合などが挙がります。

ファシリ:「年上の友だちはいる?」

「趣味が合う40代後半の友だちがいる」
「友だちの家の犬と友だちになった。一緒に遊んだ」
「よく挨拶をするおじさんと友だち」
「よく話をするお年寄りも友だち」
年の差があっても友だち。動物も友だち。友だちの定義も多種多様です。

出切った感じがしたので話題を変えてみます。

ファシリ:「こんな友だちはいやだー とかある?」

「ボールを河原に無断で捨てた人」
「クラスでいつもトラブルを起こす人」
「親友だって言ってたのに裏切った人」
「集団で悪口を言う」

自分にとって良くない友だちの話題になると挙手の数や発言のペースが増えたり発言が被るなど場が盛り上がってきます。

「嫌なことを言っている人の中には『それが悪いことだ』とわかっていない人もいる。」

嫌な相手を単なる悪者扱いしない理解力も生まれてきているんですね。

「普段暴力を振るう人も、重い荷物を運ぶときには活躍する。」
など良い点を見い出す子もいました。
「人の物を取って怒られると猿みたいな顔になる人。」
この発言に他の子が喰いつきました。

「質問なんですけど……猿みたいな顔ってどういう顔ですか?」
一同爆笑です。「そこかよ?!(笑)」ってツッコミが入ります。
質問された子は丁寧に絵を描いて応えてくれました。嫌いな子の絵を描くという行為なので迷いましたが、”論点は「猿みたいな顔」である” と判断して見守りました。
ちょっとしたブレイクタイムになったかな。

ファシリ:「こういう子となんとか仲良くなりたいと思う?」

「いやいや!先生に毎日2回は怒られてるもん」

ファシリ:「先生に毎日怒られている子とは友だちになれないの?」
「毎日怒られている子と友だちになると事件に巻き込まれるから」

なるほど。

ファシリ:「悪者扱いされている子と友だちになると自分まで悪者になってしまうかもという恐れから友だちになることを諦めるのってもったいないよね」

「自分の見方が大事。その子が本当は悪い子ではなくいい子だって分かったら救ってあげればいいと思う」

そうあってほしい。だけど難しいよね。

「みんなから敵に思われていたらそれはいじめと同じ。友だちになりたいと思ったら勇気を出していじめをなくす。」

強い心を持っていますね。頼もしいです。
その気持ちを他の子と共有できる場があることを嬉しく思います。

「ある癖があるためにクラスから嫌われている女の子がいて、その子に『それは隠れてやりな』って言ってあげた。それからは嫌われるのが結構おさまった。」

実践に移している子までいました。強さと優しさの両方を兼ね備えているとこういった問題を解決へ導けるのかもしれません。

「集団で悪口を言ってくるやつら。」
「悪口を言われたときに『次言われたらこう言ってやりなよ』と言ってくれる女子がいて、その子たちとは友だちになりたい。」

それに対して
「ぼくはその女子とは友だちになりたいとは思わない。言い返すことでどんどんエスカレートして喧嘩に至るかもしれないから。」

たとえ味方をしてくれても、それが次のトラブルに発展する可能性があるなら受け入れたくない。目先の安心だけでなく先を見据えた考え方も大事ですね。

さらにそれに対し、
「女子の【言い返し】は予言なの。手を出す前に『やめないとどうなるかわかってるわよね?』という意味で言ってる。それでもわからない場合にはエスカレートしちゃうけど。」
あくまで喧嘩を防ぐための【言い返し】であると主張。

「男子は話が通じない。話を聞いてない場合が多い。」
このあたりから【男子】と【女子】の違いを盛り込んだ意見が少しずつ増えてきます。

ファシリ:「喧嘩したあとどうやって仲直りするの?」

「すぐ先生に言う場合や、止めにかかってそれでもダメな場合に先生に言ったりする。」
「寝て待つ。しばらくすると怒りを忘れるから。」
「毎日ボカスカやってる相手がいるけど試合みたいなものだから自然と仲直りする。巻き込んでしまった子には別に謝る。」
「自主的に仲直りすることはほとんどないから先生に言って解決する。そのあとのムカつきは自然に忘れる。」

自分たち、または先生というパターンが目立ちました。


ファシリ:「女の子はどうかな?」

「自然に…」
「女の子は話ができるから、仲間割れとかが起こったら『私たちはこう思ってるよ』って相手に伝えて解決する。」

口で喧嘩する女子は口で解決する。

ある男の子から質問:「喧嘩したらみんなボカスカするの?」

「自分からはしない」
「ストレス発散でボカスカする」
「ボカスカじゃなくて無視する。その後先生に相手が悪いことをしたことを伝える」

多種多様ですね。ストレス発散という言葉に驚きましたが、人類の歴史を辿ると本能だから仕方ないのかなとも考えたり。

ファシリ:「喧嘩って不自然な状態でしょ?そこから自然に仲直りって本当にできるの?」

「お互いに(解決に向けて)頑張らないけど、寝たらどうでもいいやってなる。」
「喧嘩しても次の日は一緒に遊びたいから、自分や相手が謝って自然に仲直りする。」

プライドやわだかまりより遊びたい気持ちが勝つんですね。
「寝ると忘れる」など子どもらしい意見にもほんわかとします。

「女子は相手のことが気になってるから自分がやったことを反省してなおす。お互いに。」
自分のしたことを反省するというお手本のような意見も出ました。


ここで男子から
「女子の口喧嘩は男子より怖い。そのあと口をきかなくなる。」

そう、そうかもしれません…()

「先生が『暴力をした人が一番悪い』って言ってからはクラスの誰もが暴力をやめた。」

【自然に仲直り】に話が戻ります。

「自然に仲直りできなかったら、どうして喧嘩になったのかを考える。」
「自転車の練習で思い切り転んでしばらく自転車に乗れなかったんだけど、時が経ったら当時の恐怖を忘れて自転車で遊びに行けたので、喧嘩も同じように自然に解決するものなのかもしれない。」
嫌な気持ちは時間が忘れさせてくれる。喧嘩も同じ。ということを述べるために
違う分野から例えを引き出してくるところに知性を感じました。

「そういえば、僕も坂道で自転車が止まらなくなってゴミ箱に突っ込…」

残念。ここで時間切れでした。
ゴミ箱に突っ込んだあとが気になるけど、すぐに打ち上げの準備へ。

お菓子が並ぶと目ぼしいものを確保する男子、オレンジジュースとカルピスをミックスしてオリジナルを楽しむ男子。そんな男子を白い目で見守りながら落ち着いてお茶会を楽しむ女子たち。

知性溢れる対話をしていたかと思うと小学生らしい一面もやっぱり多分にあって、見ていて微笑ましい限りです。

またたくさんお話しましょうね!
(重巣)

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