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第3回「おてつだい」開催報告(高学年チーム)





第3回 こてつ(子どものための哲学対話)
高学年グループ 対話内容のまとめ

日時:2017年7月30日(日)9:50頃~(45分)
テーマ:「おてつだい」
ファシリテーター:池田、川上、片山
記録者:池田


早いものでこてつも3回目をむかえました。
子どもたちと、あっちをウロウロ、こっちをウロウロとタビというよりもラビリンスに迷い込んでいる感じです。今回の感想を一言でいうならば「ウロウロ」です。
「おてつだい」のお話のはじまりはじまり~。

◆寝ることは子どもの仕事です。
  対話の初めは実態調査から。
「みんながやっているおてつだいを教えて下さい。」
この問いには、

「洗濯、洗濯物をたたむ、風呂掃除  とお手伝いの王道が続きます。
「弟の面倒をみる、その他諸々。」
「その諸々を教えて下さい。」
「弟を風呂に入れる、着替えさせる。」 なかなかガンバッテイル感じです。
「皿並べ、掃除機をかける。」 とひまわりした時にある子からの問いが入ります。

「大人がどんなお手伝いをやっていたか教えて欲しい。」
ここでいう大人とは、ファシリで入っていた池田、片山、川上を指します。
子どもからの質問、うれしいですね。
僕らは嬉々と答えます。
                                       
「妹の面倒をみる。妹の習い事の送迎。」
「草むしり、雨戸を開ける、閉める。洗濯物をたたむ。自分の食事を作る。」
これらの回答にはみんなうなずきます。

「お手伝いをしたことがない。」この回答には、一同「え~」でした。
ここで、「寝ることはお手伝い、いや子どもの仕事だよ。」との発言が入りました。
ここから対話が進んでいきます。


◆お手伝いと仕事ってちがうの?
 「子どもの役目(仕事)を教えて?」という問いに対して、
「遊ぶ」、「勉強する」、「習い事をがんばる」、「成績をよくする」、「好き嫌いをなくす」との回答が続きました。

発言を聞くと、お手伝いと仕事(役目)には違いの基準みたいなものがありそうです。

問いを入れます。「仕事とお手伝いの区切りってどんな感じ。」

「風呂洗いは母がやっていた。母ができないときに手伝っていた。今は俺がやらなくちゃいけないことになった。」「やってって言われてやるのがお手伝い」
「父母のやることを手伝うことがお手伝い。」
「仕事はやらなくちゃいけないこと。」
「普段のことはお手伝い。自分のことが仕事かな?」

子ども達が悩み出します。

ある子が、
「自分のためにやったこともお手伝いになる。弟がうるさいから寝かせたら。お母さんからありがっとうって言われた。自分のことでも人のためになったらお手伝いになるのかな。」
発言の最期の方は声が小さくなっていました。
考えているんですね。ここで少し沈黙しがちになりました。

問いを変えてみました、「家以外でもお手伝いはあるのかな?」

この問いに対して、
「飼育委員会。」
「それは仕事じゃない?」

やはり学校を舞台としたお話がでてきました。

「お手伝い係がある。当番があって先生に言われたことをやる」
「係のお手伝いをする係がある、黒板消し係や配り係のお手伝いを行う。」

お手伝い係、不思議な係ですね。すかさず問いを入れてみました。
「それはみんなが助かるからお手伝いではないのでは?」

一同「う~ん」と言いながら、「人にやらせるのがお手伝いかな」と回答。

問いを重ねます、「仕事とお手伝いの違いってどうよ?」

「仕事はお手伝いを大人っぽく言っただけじゃないか?」
「意識したことがない」
「区切りはない・・大人っぽく言ったんじゃなくて、給料をもらうのが仕事かな。」

この発言に対して、
「会社の仕事は上の人からこれやってって言われてやるからお手伝いではないか?」 と対話が重なります。

「う~ん。仕事は役割分担があるから、お手伝いじゃないね。」
「仕事は、ある人とない人がいるから、違うのかな。」

◆もう一度、お手伝いと仕事の違いについて話そう
対話とともに問いも重なっていきます。
「おてつだいをしてお駄賃もらってる?」
「みんなのお小遣い事情を聞かせて。」

この結果はなんと、もらってる子がいない結果。
対話が盛り上がってきました、

「お年玉以外お金はもらわない。もらっても銀行にいく。」

問いを入れます。「お祭りに行くからお金頂戴っていうんじゃないの?」

これに対しては、「もらうけど少ない。」と即答する子が、素直ですね。
対話が続きます。
「お小遣いの制度が分からない。もらったことがないから。なにをやったらいくらもらえるのかしりたい?」

少し、脱線気味であったここで、ある子から「仕事とお手伝いの違いに戻ってお話がしたい。」との発話がありました。
この発話によって対話の軸が戻ります。
「仕事も、お手伝いも任された事だから変わりはない。」
「いとこみたいな感じ。家族ほどではないけれど繋がっている感じ。」

発言が抽象的になってきました。ここで話しを整理します。
問いを入れます。
「お手伝いと仕事はどう違うのか?お金をもらうかの違いなのか?
「お金をもらったら仕事というわけではない。いや、お金をもらうということはその分ちゃんとしないといけないことになるから、仕事になるのかな。」

ちゃんとするのか?しないのか?対話のキーワードが出てきました。
問いを入れます。
「でもさ、お手伝いもちゃんとしてくれているじゃん?そうだと仕事ではないのか?、お手伝い、今日はやりたくないとき、みんなどうするの?」

「知らなかったことにして寝る。」
「妹におしつける。」
「他の日にやる」
「てきとうにやる。」
「取引する。やってあげるからゼリーちょうだいって言う。でもゼリーをくれない時がある。」

発話が続きます。
「そう言えば、お使いの余りを遣っていいよと言われる時がある。」
「それってお小遣いじゃないの?いや給料かな?」

お手伝いとしごとの違い、深まりそうなのに手強いです。やはり対価がポイントなのでしょうか?

「対価があれば毎日やっていい?」
これに対いしては「やりたくない、安かったらやらない。」、

「給料とかの条件が自分の条件と合っているのであれば毎日やる?」

これに対して
「でもさ、仕事の日でも休んでいる日あるけど?その時はお金もらえなくなるの?」
こども達が答えてくれます。「そういう日は有給(休暇)っていううんだよね。」

よく知ってますね。
問いを変えます。「休みを決めれるならどうする?」
「そうなるとお母さんが困る。今までやっていたのに、やらなくなったら困る。」
「毎日だったら、休んだとして、他の日にやる場合、他の日に予定があったらできなくて困る。仕事より楽だけど、大事かな・・」

そして、一同 う~んと悩み出します。

「お手伝いは軽くやってありがとう、仕事だとしっかりやらなくちゃいけない。お金もらったらサボッちゃだめでしょって言われる。」
「お手伝いは楽だな。やんなくていい時はやんなくていい。お母さんは困るけど。」
「でも、仕事は休むと他の人がやってくれるでしょ。これだとお手伝いと同じじゃないかな。」、

ここである子が悩んだ末の発言が入ります。
「風呂掃除は自分の仕事になっている。宿題とかが大変な時は、お母さんと弟がやってくれる。
それ以外の時でやらない時はない。手伝いでも仕事でもさぼれない。」
この発言にはみんなうなずいている感じでした。

◆お手伝いしてもらいたいことってある?
話しを変えて、「どんなことをお手伝いで頼みたい?」
「宿題、聞き逃したりしたとき助っ人が欲しい。」と発言。
「宿題って仕事っていってたけど、自分でやることではないの?」と問うと、
「仕事だから年上に助けてもらう。会社でも分からないときは上の人に聞くのではないか?」
対話が重なります。
「分からない事は教えてもらっている。手伝ってもらっているのではない。皿洗いは手伝ってもらおうとは思わない。」
「頼まれていることを頼むのはおかしい。」

次に、「やり方を教えてもらうのが宿題のお手伝い」という発言がありました。
すかさず「えっ、全部やってもらえばいいじゃん?」と問うと、
「それはだめ、自分のためにならない。」
「それでは自分の頭に入らない。自分で考えないと意味がない。」

そして「家事を手伝いはやりかたを聞いている訳ではないけど、家事はやらないといけないこと。お母さんは家事が多い。大変なの。」との発言がありました。
「小さい子がいるお母さんは大変だよ。弟がじゃまするからね。」
まあ、君たちも大変だったんだけどねと思いつつ次の問いに移りました。


◆果して自らお手伝いをするのか?
「自分から手伝うことってある?」
これに対しては、
「カブトムシ、金魚の水替えはてつだったよ」
「ない」
「弟がうるさいとき、遊んであげている。」
「ドーナッツが多いとき、食べるのを手伝う、料理とか畑とか、楽しいこと。」
「ママが大変そうなとき、料理スキだから、手伝ったら、あるがとうって言ってくれた。」
「お母さんがご飯の支度をしている時、雨が降ってきたので、洗濯物を取り込んだらすごく喜んでくれた」。

周りが大変だと感じたとき、動くことが多いようです。
問いを入れます。
「お金のやりとりがないお手伝いもあるよね。友だちと協力してなにかやるとか。1人でできないことを手伝ってもらうとか。そんなときある?」
「あるよ。トランプで新しい遊びを考えたよ」
「お楽しみ会のプログラム。1人しか手が上がらなくて。その時はSOS出したよ。
1人よりみんなでやった方がいいプログラムになると思ったから。」
「お手伝いしてありがとうって言われたら嬉しい?またやろうって思う?」
一同「それはない!!手伝ってて言われたらやるけどね」

自分が手伝ってもらった時はありがとうって言うけどね。
ここで時間となりました。
今回は「お手伝いと仕事の違い」が対話の軸になりました。
お手伝いにおける、主体性や対価の面に対話が集中したため、協力の面へのタビが始まったばかりでの時間終了でした。
大人に対しての問いかけも増えてきましたし、対話を戻したいとの発言もありました。少しずつですが対話に慣れてきているのでしょすか。
さて、みんなのお手伝い観はどう変わったのでしょうか。

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