Go To Montain

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第7回「がっこう」開催報告(低学年チーム)



日時:2017年12月10日(日)9:30~11:00
テーマ:「がっこう」
参加人数:8名
ファシリテーター:池田、川上、重巣
記録者:池田
※記録用に対話の一部を編集して作成しています
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今回のこてつは低学年チームで「がっこう」について対話しました。
アイスブレイクは、いつもと雰囲気を変えて「自己紹介ゲーム」を行いました。
照れながらですが、今日呼んで欲しい名前と「最近食べた、おいしかった食べ物」」を発表しながら自己紹介が進みます。
初参加の子たちもなじみ、マッタリした雰囲気の中で対話がスタートしました。

■「がっこう」で何をしているの?
まずは「がっこう」での一日をみんなで振り返ってみました。
登校→朝の会、健康観察→授業→中休み→授業→給食→そうじ→昼休み→授業
1年生は5時間目まで。1年生は何で5時間目で終わるのか?
この問いには、「学年が低いから」、「大変だから」といった発言がでました。
1年生は「6時間目まであってもいいよ~」と回答すると思ったのですが、想像通りに行かないのが低学年チームです。
「めんどくさい~授業めんどくさい~」、この発話から本格的に対話が重なっていきました。

「授業がめんどくさい?理由を教えて?」
「勉強やりたくない時!」、元気に発話してくれます。
「めんどくさい」って発話促進剤みたいなものなんですかね。
「めんどくさい」を軸にして問いを入れていきます。
「算数はめんどくさくない、国語はキライだからめんどくさい。」
「めんどくさい」って言葉の意味は広そうです。
図工は色を覚えられて楽しい。
生活科で公園やパソコン室だと楽しい。
パソコンの授業で絵を描いたから楽しい。
これらは、めんどくさくないそうです。

ただ、算数がめんどくさい、めんどくさくない子もいまして、なんで違うのか?
みんなが使っている「めんどくさい」ってどういうことなのか?
このあたりを掘り下げみました。いえ、子ども達が掘り下げていきました。

問いは「めんどくさいことを教えて?」です。
この問いに対して「ノートに書く。問題書くのがめんどくさい。ノートに書きづらい。」
算数がめんどくさくない子に聞いてみます。
「好きだから、ギュウギュウ詰めに書けば大丈夫。」好きか嫌いかで違うんですね。
そして次が「国語の音読はめんどくさいの?」
これには色んな発話が重なりました。
「読んでいるとどこを読んでいるか分からなくなる。」、僕は黙読でもそうです。
「連絡帳に書いても忘れてしまう。やってないことがドンドンたまる。」、これも共感しますね。

「音読カードに脳が良くなると書いてあって好きになった。」
「音読はお話を読むからワクワクするから楽しい。」
「ワクワクしない~」
「つっかかるからイヤだ。」
「長い時がイヤだ。」
「長いお話は分からなくなる。」
「お姉ちゃんが邪魔してくるからイヤ。」
姉妹問題が絡んできました。
「音読している時に弟と妹がケンカするからイヤだ。」
生き生きと発話してくれます。

少し対話のポイントがズレてきましたが、楽しそうなので問いを入れてみました。
「完全に邪魔されない部屋で音読やったらめんどくさくないの?」
「そんな部屋だったら、大きな声で読まないとお母さんに聞こえない。大きな声を出してノドが痛くなる。」
もう少し聞いてみることにしました。「なんで音読はおうちの人にチェックしてもらはないといけないの?」
「知らない~」と発言する子が多かったのですが、「本を読む練習だから聞いてもらはないといけない。」と発言してくれた子もいました。
「自分で上手に読めたって思えばいいんじゃない?」
「ウソつくよ。宿題はやりたくないからね。」
「お家の人と、こういう絵(挿絵)なんだよ、こんなお話なんだねって言って欲しい。」
自分たちなりに「音読の宿題の意味」を考えてくれているようです。
算数や音読以外には「漢字」、「ドリル」、「テスト」がめんどくさいことだそうです。
興味深かったのは、「テストは話してはダメだし、人のことが気になる。そんな雰囲気がイヤだ」でした。テストの雰囲気ってイヤですよね。

■それって授業?
どんな授業であればめんどくさくないのか?
この問いで対話を変えてみることにしました。
図工、体育、社会科見学、理科の実験、生活、学活、道徳と続きます。
では「体育だけ、体育、生活、図工だけだったらいいの?」と聞いてみると、「遊ぶ、遊ぶ、遊ぶがいい」と元気に答えてくれる子がいました。楽しいことに軸を置いて対話を進めてみることにしました。
「遊ぶだけだったら学校いかなくていいじゃん。」
この問いに対してすかさず、「遊ぶ+授業」と答えが返ってきます。
「がっこう」はめんどくさいだけではないようです。
「レクは授業?」と聞くと、「落ち葉拾いは授業」、「そうじは授業」とのこと。
子どもたちが考えている授業について対話が進んでいきます。
「学活は先生なしで大切な行事についてみんなで話し合うから授業だよ。」
「体育館でシャトルランするのも授業だよ。」、この辺りは参加した子達は共通しているようです。続いて、「音楽は授業なの?」、この問いに対しては答えが割れました。

ここで問い入れます。
「みんなは何でめんどくさい授業を受けているのか?」
「怒られるから。」
「国語とかやっていると、たまに知らない事があるから。」
「宿題やらないとためにならないから」
倫理的ですね。
「でも宿題ないとうれしい?」と問いかけると、やはり笑顔でうれしいと答えてくれます。
理由を聞くと時間がたっぷりあるからと答えてくれる子が多かったです。


■さて質問です、立場が変わったらどうでしょう?
そもそも「がっこう」へ行きたくないのか?聞いてみました。
遅刻するから。遠いから。坂があるから。車で行きたい。校区の関係で遠い学校に通っている。切なる願いですね。暑い日も寒い日も通わないといけないですからね。

後は「好きな授業だけ行きたい。」この気持ちも分かります。
次に「どんな学校であれば行きたいのか?」と問いを入れてみます。

好きな授業だけの学校、バスで行ける学校、家の隣の学校、4限目まで遊びで5限目だけ授業の学校と次々に答えてくれます。
不思議なことに、こういった学校には行きたくない
と話してくくれる子もいます。ゲームを持っていける学校は行きたいかと聞いてみると、持って行きたくないと反応します。
4限目まで遊びで5限目だけ授業の学校も賛否両論でした。家でも遊べるから授業があった方がいい。授業が遊びよりも宿題がない方がいい。
大人になったら困るのではないか?5限目が体育だったら体力がなくなる。色んなことを考えています。
もう少し、どんな学校であれば行きたいのか?を続けてみます。
「1日2万円もらえるなら行ってもいい。」、確かに!
僕も行きたいと思った時に、「お金は自分の自由にならないから、好きなことができる日があるとか、みんなが100点だったら宿題なしとか学校お休みの方がいい」と冷静な発話がありました。この発言に対して「ダメ!」との意見がありました。
理由は「自分が好きな授業がある日が休みになったら悲しい。」とのことでした。
みんなの意見を聞き、考えて発話してくれています。みんな対話に慣れてきたようです。この意見に対して対話が重なっていきます。

「休んだら、次の日休んだ分をやらないといけなくなる。」
「その時は休みの日にやればいいんだよ。」
「おうちで5限目やればいいんじゃない。」
「休みすぎると夏休みがなくなるんじゃないか?」
「休みは多すぎてもイヤだし少なくてもイヤだから今のままでいい。」
「3日お休みはいいけど4日休みはいやだ。」
「休みを変更する方がいい。」
「イヤだ。」
「1日交代で学校が休みがいいな。」
「おうちで勉強するってさっき言っていたけど,テストが0点になるかもしれない。」
ここで問いが入ります。「立場が変われば」の問いが入ります。

「ではみんなの立場が変わります。みんなが校長先生になったら、みんなに来てもらえるような学校にするとしたら、どんな学校にしますか?」
「楽しい学校」から発話が始まりました。少しずつ学校像が具体的になっていきます。
「100点がとれる、問題は難しいけど子どもたちみんなが100点がとれる学校」、「先生が甘い、やさしい学校」
「先生は怖い顔だけど本当は優しい学校」、先生は当たり前なんでしょうがポイントのようです。
そして「校庭が遊園地の学校」、でました期待していた回答。
「先生は怖い顔だけど本当は優しい学校」と「校庭が遊園地の学校」のどちらに行きたいか?問いかけてみます。
「楽しそうだけど、まじめに勉強している人は先生が優しい学校の方に行きたいと思う。」
「校庭が遊園地の学校は好きだけどそれでしか遊べなくなる。」、「体育ができなくなるのでは?」
校庭は自由に使える場所であった欲しいようです。この点には賛同する子が多いおようでした。「校庭+遊園地にすればいいんじゃない?」と色々なアイデイアが出てきます。
 ここで本日最期の問いが入ります。

「そんな校庭が遊園地の学校に、もし自分が親になったら、自分の子どもを通わせたいですか?」
この問いには「イヤだー!」の声が多い結果となりました。
「ジェットコースターでケガをする」、「遊びすぎて勉強しなくなる」これらの意見に対して「ケガをしないように工夫すればいいのでは」、「授業はちゃんとやって、やらない子は遊ばせない」と賛同派が答えていきます。
ここで時間となり対話が終了となりました。

今回の対話が進んだキーワードは「立場が変われば」だったようです。対話に慣れてくると発話は活発になってきますが、発話が反射的になる傾向があるようです。
「立場が変われば」で違った視点を持って発話することができたようです。
追伸、打ち上げでは、今日は乾杯が早くできるよねといった声も聞こえてきました。
乾杯、待ち遠しいんですね。

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